2017年8月6日にWGCブリヂストン招待選手権(オハイオ州 ファイアーストーンCC)で優勝し、PGAツアーでは日本人史上最多記録の5勝をした松山英樹。
そして、翌週8月13日の全米プロゴルフ選手権(ノースカロライナ州 クエール・ホローC)では5位タイという非常に残念ですが、それでも好成績で世界ランキングも2位に浮上。
そんな一見絶好調に見える松山ですがショートパットへの不満がぬぐえずに、この2試合ではエースパターのピン型キャメロンからテーラーメイドのマレット型を使用していました。
ここでは、松山の好成績を牽引したマレット型パターについてチェックしていきたいと思います。
目次
キャメロンのピン型パターからテーラーメイドのマレット型へ
松山のエースパターと言えば、スコッティ・キャメロン『GSS ニューポート2 タイムレス』ですが、WGCブリヂストン招待選手権と全米プロ選手権の2大会ではテーラーメイド『TP コレクション ミューレン プロトタイプ』というマレット型のパターを実戦投入。

これが功を奏し、WGCブリヂストン招待選手権では大会4日間での平均パット数は全選手の中で1位の1.648パットでした。
実はこのミューレンのプロトタイプは2017年6月のトラベラーズ選手権においてロリー・マキロイも使っていたモデルなのです。
松山がマキロイにリスペクトしてミューレンを選んだのかどうかはわかりませんが、ブリヂストン招待でのタイガー・ウッズにならぶ最少ストローク「61」はこのパターがあったからこその偉業だと思います。
一体、このミューレンというマレット型のパターは今まで使用していたキャメロンのピン型とどう違うのでしょうか?
ピン型とマレット型の特徴と打ち方の違いとは?
まずは、ピン型とマレット型の簡単な特徴の違いをチェックします。

ピン型パターの特徴
- マレット型よりも重量が軽く操作性が優れている
- フィーリングで合わせる上級者が好んで使っている
- 芯を外すと極端に転がりが悪くなり、距離のロスがでやすい
- 短い距離のパットでは引っ掛ける(カップの左へ外す)ことが多い
《打ち方》
一般的にはトゥ側が重いため、フェースバランスは下を向いています(メーカーやタイプによって違うものもあります)。
そのためフェースを開閉させるイン・トゥ・イン軌道で打つのが適しています。
フェースバランスがあるパターは真っ直ぐ引いて、真っ直ぐフォローをだすストレート軌道で打つのに適しています。
平らな所にパターを置いてヘッドの傾きを調べます。フェース面が真上を向くパターをフェースバランスがあるパターといいます。
とくに初心者には、フェースバランスのあるパターの方が打ちやすく感じられると思います。
マレット型の特徴

- ピン型よりも重心が深く、多少芯をはずしても大きな距離のロスがありません
- 直進性が強く、重いグリーンでもよく転がる
- 左にひっかけずらく、ショートパットが苦手な人には真っ直ぐ打ちやすい
- オートマチックに打ちやすいので初心者でも使いやすい
《打ち方》
一般的にはピン型よりはトゥ側が軽いため、やや斜め45度あたりのバランスになります(メーカーやタイプによって違うものあります)。
そのため真っ直ぐ引いて、真っ直ぐフォローをだすストレート軌道で打つのが適しています。
ピン型からマレット型に変えることのメリットとは
最近の数試合、ショートパットに不満を抱えていた松山にとってピン型からマレット型への変更は、もともとストレート軌道でパッティングするスタイルの彼にとってはとても相性がよくて扱いやすいはずですし、合理的な選択だと思います。
調子が悪いときは違うタイプのクラブを意識的に試してみるという方法は、プロ・アマ問わずよくあることなのでピン型とは違う性能のマレット型を試してみるのは気分転換としてもとてもいいことだと思います。
また、松山は2017年4月チューリッヒクラシックで谷原秀人とペアを組んだときにも、マレット型のパターを試しています。
その時はキャメロンの『P5 GSS』のセンターシャフトを使用していました。

そして、この大会でもパットは好調でした^^
なのになぜその後、またピン型のタイムレスに戻したのか・・・は、わかりません。
アマチュアゴルファーには、上級者はピン型を使う!という都市伝説にも似た風潮があります。ピン型パターにはとてもシャープでシンプルでストイックなかっこよさが感じられるので、たとえパッティングが苦手な人でもピン型を愛用する人は多くいます。
もしかしたら松山にもピン型に対する何か特別な思い入れがあるのかもしれませんね。
松山使用のマレット型『ミューレン プロトタイプ』は市販品とはココが違う!
松山にリスペクトしている人は、
「よし!わかった!」
「テーラーメイドの『TP コレクション ミューレン』を買えばいいんだな!」
と、思ってしまいがちですがここでちょっと待ってほしいです。
あくまでも彼の使っているパターはプロトタイプ!
市販品とは若干の違いがあります。
ここで大まかにプロトタイプと市販品の違いをチェックしてみますね。
その1)サイトラインの数が違う
松山が使用するプロトタイプではサイトラインが1本。
しかし、市販品のサイトラインは2本です。

一般ゴルファーにとっては、2本の方がわかりやすいというメーカー側の判断なのでしょうか?
それとも、松山の好みでプロトタイプは1本にしてもらったのでしょうか?
・・・それはちょっとわかりませんですm(_ _)m
その2)ネックの形状の違い|ベントネックとショートスラントネック
松山が使用するプロトタイプはベントネックを採用。そして市販品はショートスラントネックを採用しています。

ベントネックとは
- シャフト自体が微妙に曲げられていて、ネック部分がないのが特徴。
- このネック形状は、ボールが捕まりやすく距離が合わせやすい。
- シャフトの延長線上にパターの芯があるため、芯を意識してしっかり打つタイプに合います。
- また、重心が低くなりフェイスの下側で打つのが得意なゴルファーにとっても相性が良いとはずです。
ショートスラントネックとは
- シャフトとパターをつなぐネック部分が斜めに伸びているのが特徴。
- 構えたときの見え方はベントネックと似ていますが、ネック部分があるために重心は若干高くなります。
同じマレット型でもネックの形状によってフェースバランスが変わる
一般的には、ベントネックはフェースバランスがあるので、打ち方はストレート軌道が適しています。
それにくらべ、ショートスラントネックはフェースバランスがないので、フェースを少し開閉するような弧を描くようなストロークが適しています。
市販品ミューレンの兄弟分『TP コレクション バーウィック』
上記で見てきたようにミューレンのプロトタイプと市販品には若干の違いがあります。しかし、ミューレンには兄弟分たるモデルがありまして、それが『TP コレクション バーウィック』です。

このバーウィックはミューレン プロトタイプのように
- サイトラインが1本
- ベントネックを採用
と、ヘッド形状こそ少し違いますが、遠目から見れば松山モデルそのものに見えてしまいます(笑)
なので・・・
- 松山とどうしても同名のモデルが欲しいなら『TP コレクション ミューレン』
- 松山とはちょっとヘッドが違うけど内容がけっこう似ている『TP コレクション バーウィック』
という選択も全然アリだと思いますよ^^
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まとめ
ここでは松山の新兵器、テーラーメイドの『TP コレクション ミューレン』やパター形状の違いをチェックしてきました。
今や、世界ランキング2位の松山がどんなクラブセッティングをしているのかは世界中のゴルフファンが注目していることと思います。
なぜ松山がこのモデルを選んだのか?
・・・なんて考えながら自分のクラブセッティングを考えるのもすごく楽しいですし、そしてまた財布のヒモが緩んでしまいそうな自分が・・・恐くもあります((;゚Д゚))ガクガクブルブル
◎キャメロンのピン型パターからテーラーメイドのマレット型へ
ピン型パターの特徴
・フェースを開閉させるイン・トゥ・イン軌道で打つタイプに適しています
・上級者が好んで使うモデルです
マレット型の特徴
・オートマチックにストレート軌道で打つタイプに適しています
・初心者でも扱いやすいもでるです
◎ピン型からマレット型に変えることのメリットとは
ストレート軌道で打つタイプの松山にはマレット型の方が相性がいいのではないかと思います
◎松山使用のマレット型『ミューレン プロトタイプ』は市販品とはココが違う!
松山使用の『TP コレクション ミューレン プロトタイプ』
・サイトラインが1本
・ベントネックを採用
市販品の『TP コレクション ミューレン』
・サイトラインが2本
・ショートスラントネックを採用
市販品の『TP コレクション バーウィック』
・サイトラインが1本
・ベントネックを採用